法人・法人成り

法人成りの損得の境界線は?シミュレーターで確かめる方法

売上も利益も伸びてきた。そうなると、取引先や知人から「そろそろ法人にした方がいいんじゃない?」と言われ始めます。

気になるのは、利益がいくらを超えたら法人の方が得なのかという境界線ではないでしょうか。ただ、この境界線は「利益○○万円」と一言で決まるものではありません。この記事では、損得の見方と、無料シミュレーターで自分の数字を確かめる手順をご紹介します。

損得は「税金だけ」で見ない

法人にすると所得税の代わりに法人税がかかり、役員報酬を自分に払うことで税金を調整できます。ただ、損得を決めるのは税金だけではありません。

  • 社会保険料:法人は社会保険への加入が必要です。個人事業主の国民健康保険・国民年金より負担が増えることがあります(新規適用の届出は、設立から5日以内が目安です)
  • 設立費用:株式会社で約30万円、合同会社で約20万円
  • 手間とコスト:決算・申告が複雑になり、会計や申告の費用が増えます
  • 2割特例:個人事業主でインボイス登録して使っていた場合、新しく設立した法人では使えません

つまり、税金が下がっても、社会保険料や費用で打ち消されることがあるということです。落とし穴は法人成りの落とし穴の記事でまとめています。

シミュレーターで確かめる2ステップ

数字は、人によって大きく変わります。家族構成も、経費の使い方も違うからです。そこで、当事務所の無料シミュレーターを2つ使って、自分の数字で確かめてみてください。

ステップ1:個人事業主の税金シミュレーターで「今」を知る

まず、今の利益で、所得税・住民税・個人事業税・国民健康保険料などがいくらかかり、手取りがいくら残るかを確認します。比べる相手は、この「今の手取り」です。

ステップ2:法人成りシミュレーターで、法人にした場合と比べる

同じ利益で法人にした場合の手取りを出し、ステップ1と比べます。ここで試してほしいのが、役員報酬の額を変えて、何パターンか試すことです。報酬額によって、法人の税金、社会保険料、個人の税金のバランスが変わるためです。

ただし、数字が一番有利になる額が、そのまま答えとは限りません。報酬額は、目標額・生活費・残したい資金から考えるものです。考え方は役員報酬はいくらにする?の記事で解説しています。

見るポイントは、手取りの差がいくらかです。差が小さいなら、手間や費用を考えて個人事業主のままという選択も十分あります。差が大きいなら、設立費用や毎年の決算費用を引いても元が取れるかを確かめます。また、利益は毎年同じとは限りません。今期の数字だけでなく、来期以降の見込みの利益でも試しておくと、判断がぶれにくくなります。

目安は利益の3段階

シミュレーターに入れる前に、おおよその位置を知っておくと見通しが立ちます。当事務所では、所得(利益)で次のように考えています。

所得(利益)目安
1,000万円以下まだ早い段階。法人にしても負担がほとんど減らないことが多い
1,000〜1,500万円検討段階。シミュレーターで自分の数字を確かめたい
1,500万円超確定段階。法人化のメリットが出やすい

「利益800万円が境目」と聞いたことがある方もいるかもしれません。この説に私が賛成しない理由は、法人成りのタイミング~所得金額編~に書いています。

数字を一緒に見て、決める

法人成りは、一度やると簡単には戻せません。シミュレーターで目星をつけたら、あなたの事業の状況に当てはめて、一緒に確認しましょう。当事務所では、法人成りの相談だけの単発のご相談もお受けしています。初回相談は無料です。

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