「経営計画を作ったほうがいいのはわかっている。でも、何から書けばいいのかわからない」
社長とお話ししていると、よくこの言葉を聞きます。経営計画というと、何十ページもある事業計画書を思い浮かべる方が多いかもしれません。作るだけで疲れてしまい、作った後は引き出しにしまったまま──そんな経験はありませんか?
実は、経営計画は1枚で十分です。大切なのは立派な資料を作ることではなく、作った計画を毎月の数字と比べることです。
経営計画は「1年後の行き先」を決めるもの
経営計画とは、つまり「1年後、会社をどんな数字にしたいか」を決めたものです。
行き先が決まっていない旅は、どこに着いても「こんなものか」で終わってしまいます。経営も同じで、目標の数字がないと、今月の売上が良いのか悪いのかさえ判断できません。
行き先が明確になると、「人を採用してもいいか」「設備を買ってもいいか」「役員報酬をいくらにするか」といった判断に、根拠が持てるようになります。
1枚の計画に書くのは、この4つだけ
最初は、次の4つの数字を月ごとに書くところから始めましょう。
① 売上
去年の実績をベースに、「今年はこれくらい伸ばしたい」という数字を置きます。月ごとの波(繁忙期・閑散期)も反映させると、より実態に近くなります。
② 変動費
仕入や外注費など、売上に比例して増える費用です。売上に対する割合(たとえば売上の40%)で考えると簡単です。
③ 固定費
人件費・家賃・リース料など、売上に関係なく毎月かかる費用です。ここは去年の数字がそのまま参考になります。
④ 利益
売上から変動費と固定費を引いた残りです。逆に「利益をこれだけ残したい」から逆算して、必要な売上を出すこともできます。
売上から変動費を引いたものを限界利益と呼びます。つまり「売上のうち、固定費の支払いと利益に回せるお金」のことです。この考え方を知っておくと、「あといくら売れば黒字になるか」がすぐにわかるようになります。
作った後が本番。「予実管理」で毎月くらべる
計画を作っただけでは、経営は変わりません。大事なのは、毎月の実績と計画をくらべることです。これを「予実管理(予算と実績の管理)」と呼びます。
たとえば、計画では今月の売上が500万円だったのに、実績は420万円だったとします。このとき見るべきは「80万円足りなかった」という結果よりも、なぜズレたのかです。
- 受注が後ろにずれただけなのか
- 単価が下がっているのか
- そもそも計画が楽観的すぎたのか
原因がわかれば、来月の行動が変わります。1か月ごとのズレなら、まだいくらでも取り返せます。年に1回の決算で初めて気づくのとは、打てる手の数がまったく違います。
予実管理を続けるための3つのコツ
1. 毎月の試算表を正しく、早く出す
くらべる相手である実績が遅かったり、間違っていたりしては意味がありません。毎月の試算表が翌月の早い時期に正しく出ることが、予実管理の土台になります。
2. ズレは「責める材料」ではなく「気づく材料」
計画どおりにいかないのは当たり前です。ズレが出たら計画を見直せばいいだけです。完璧な計画を作ることより、ズレに早く気づくことのほうがずっと大切です。
3. ひとりで見ない
数字をひとりで眺めていると、どうしても都合のいい解釈をしてしまいがちです。第三者と一緒に見ることで、見落としていた変化に気づけます。
まとめ
- 経営計画は分厚い資料でなくても、売上・変動費・固定費・利益の1枚で始められる
- 計画があると、採用・投資・役員報酬の判断に根拠が持てる
- 作った後は、毎月の実績とくらべる「予実管理」が本番
- 見るべきは差額よりも「なぜズレたのか」
- 正しい試算表を毎月早く出すことが、予実管理の土台になる
当事務所の進め方
当事務所では、次の3つのステップで経営計画づくりを伴走します。
- freeeの効率化で月次決算を早くする
freeeの設定や入力の流れを整え、毎月の試算表が早く、正しく出る状態をつくります。 - bixidで1年分の経営計画をつくる
freeeのデータを経営支援ツール「bixid(ビサイド)」に連携し、売上・変動費・固定費・利益をまとめた単年度の経営計画を社長と一緒に作成します。 - 毎月モニタリングする
毎月のWeb面談で計画と実績をくらべ、ズレの原因と次の一手を一緒に考えます。
計画と実績を数字で見える化し、次の一手を明確にする。そんな経営のパートナーとして伴走します。「経営計画を作ってみたいけれど、ひとりでは続かなそう」という方は、お気軽にご相談ください。
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