副業が20万円以下なら申告しなくていい?よくある勘違いと正しい考え方
はじめに
「副業の収入が20万円以下なら申告しなくていい」…こんなフレーズ、聞いたことはありませんか?でもこれ、実はかなり誤解されているんです。
実際には会社員(給与所得者)向けの特例に過ぎず、すべての人に当てはまるわけではありません。この記事では「20万円ルール」の正しい意味と、間違いやすいケースをやさしく解説します。
20万円ルールの本当の意味
このルールは、年末調整を受けた会社員などの給与所得者が対象です。
- 副業や雑所得などの所得が20万円以下であれば、所得税についての確定申告義務を免除できる
- つまり「不要」なのは、あくまで所得税の申告を簡略化するための便宜措置なんです
ただし大事なポイント👇
👉 医療費控除や寄附金控除(ふるさと納税)、住宅ローン控除などで確定申告をする場合には、副業20万円以下でも必ず申告が必要です。
「他の理由で申告するなら、副業も一緒に申告する」が原則ですよ。
所得税法121条1項1号
一の給与等の支払者から給与等の支払を受け、かつ、当該給与等の全部について第百八十三条(給与所得に係る源泉徴収義務)又は第百九十条(年末調整)の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、その年分の利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額、一時所得の金額及び雑所得の金額の合計額(以下この項において「給与所得及び退職所得以外の所得金額」という。)が二十万円以下であるとき。引用:e-gov 所得税法
個人事業主には関係ない!
フリーランスや個人事業主は、自分で確定申告をするのが基本です。なので副業収入が20万円以下でも、「雑所得」や「事業所得」として申告する必要があります。
「20万円以下なら申告不要」は個人事業主には使えない——ここが大きな勘違いなんです。
例外的に申告不要な収入もある
とはいえ、すべての収入に税金がかかるわけではありません。代表例は「生活用動産(せいかつようどうさん)の売却益」です。
- 要らなくなった服や家具をフリマアプリで売った場合
- 使っていた楽器や家電を手放した場合
こうしたケースは「生活で使っていた資産を処分しただけ」と考えられるため、課税対象外となります。
[非課税所得]
所得税法9条1項9号
自己又はその配偶者その他の親族が生活の用に供する家具、じゆう器、衣服その他の資産で政令で定めるものの譲渡による所得引用:e-gov 所得税法
こんな場合はアウト!
逆に、次のようなケースは課税対象です。
- 転売目的で仕入れた商品を売る
- 同じ種類の商品を大量に繰り返し販売する
- 宝石や貴金属など高額な資産を売って利益が出る
この場合は「事業所得」や「譲渡所得」として課税されます。
税法は「一般的にどう見えるか?」が判断基準になることも多いので、「自分が本当に生活で使っていたものか?」を意識して考えるといいですよ。
住民税の取扱いも要注意
実は「20万円以下なら申告不要」という規定は、所得税にしかありません。住民税には同じルールはなく、原則として少額の副業収入でも申告が必要です。
まとめ
- 副業20万円以下なら申告不要は「会社員向けの所得税特例」
- 医療費控除やふるさと納税で申告する場合は、20万円以下でも申告対象
- 個人事業主は金額に関係なく申告が必要
- 生活用動産の売却益は課税対象外だが、転売は課税対象
- 住民税には20万円ルールはなく、原則申告が必要
「20万円以下だから大丈夫!」と単純に考えるとリスクがあるかもしれません。自分の立場を整理して、正しく対応していきましょう😊
👉 副業や確定申告について不安がある方は、お気軽にご相談ください。
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