節税だけで法人成りすると後悔する?実務で見えてきた7つの落とし穴と「設計の考え方」

こんにちは、税理士の廣島です。
「節税になるから」という表面的な理由だけで法人化し、
後で「こんなはずじゃなかった」と後悔する人を一人でも減らしたい。

そんな思いから、実務の現場でみてきた
「落とし穴」「設計の考え方」をまとめました。


1. 利益が下がって「所得税の方が安かった」

利益が高ければ、法人税の方が安い!
というのは、利益が低ければ、所得税の方が安い、という意味の裏返しです。

短期的な利益上昇だけで判断せず、
それが長期的に(3年以上など)続きそうか、という視点を持ちましょう。

後悔のポイント
👉 利益が低い段階では、
所得税の超過累進課税の方が負担が軽いケースもある。

廣島のアドバイス
👉 節税メリットがでる「利益」を
事前にシミュレーションすることが不可欠です。
利益だけでなく、社会保険料・消費税・役員報酬・税理士費用なども加味して
シミュレーションしてくれる税理士に依頼しましょう。


2. 社会保険料が負担に感じる

法人化すると、社長一人の会社であっても
社会保険(厚生年金・健康保険)への加入が義務付けられます。

後悔のポイント
👉 給料の約30%を会社と個人で折半して負担するため、
個人事業主時代より支出が増えるケースが大半
です。

廣島のアドバイス
👉 社会保険をしっかり支払うことは
「将来の年金が増える」などのメリットもありますが、
直近のキャッシュフローを圧迫します。

「数字上は黒字でも、キャッシュが足りなくて詰む」
というリスクを避けるため、
納税+社保負担を含めた資金繰り予測が必要です。


3. 税理士費用が「コスト」にしか見えない

法人の決算申告は非常に複雑で、
自力で行うことは困難です。
事実上、税理士との顧問契約が必須となります。

後悔のポイント
👉 年間50万〜80万円程度のコストを
「単なる作業代」と考えてしまうと、
大きな負担感に繋がります。

廣島のアドバイス
👉 税理士を
「申告書を作る人」ではなく、
「会計の時間を減らし、経営に集中する時間を創り出すパートナー」
と捉え直してみてください。

ツール導入で終わらない
「運用設計」までできる専門家を選ぶことで、
コストは「投資」に変わります。


4. 赤字でも「均等割」の納税が発生する

個人事業主は赤字なら所得税はかかりませんが、
法人はそうはいきません。

後悔のポイント
👉 たとえ赤字でも、
地方税の「均等割」として
年間約7万円(資本金1,000万円未満)の納税義務が生じます。

廣島のアドバイス
👉 「会社を維持するだけでかかる固定費」
把握しておくことは、経営の基本です。


5. 爆増する「毎年の事務手続き」

算定基礎届、年末調整、法定調書、償却資産申告、
源泉所得税・社会保険料・住民税の納付……。

法人になると、社長が
「本業」以外に割かなければならない事務時間が激増します。

後悔のポイント
👉 事務に追われ、
経営の意思決定をする時間がなくなる

廣島のアドバイス
👉 算定基礎届なども出力できる
給与システム(freee人事労務など)を活用することで、
実務負担を劇的に軽く
できます。

年末調整・法定調書・償却資産は
税理士が代行することも多いです。
(※社会保険手続きの代行は社会保険労務士


6. 「登記手続き」という見落としがちな罠

社長の引越しや、役員の任期満了のたびに、
法務局での登記変更が必要になります。
(登記の専門家は司法書士

後悔のポイント
👉 10年に1度の重任登記などを忘れると、
「みなし解散」として会社が消滅したり、
過料(罰金)を課されるリスクがあります。

廣島のアドバイス
👉 制度の「裏面(リスク)」まで知っておくことが、
無駄に傷つかないための防衛策です。


7. 結局「手元のお金」が増えているのかわかりにくい

個人事業主は
「売上 − 経費 = 自分のお金」とシンプルですが、法人は「役員報酬」という決まった給料の中で生活します。

後悔のポイント
👉 会社にお金があっても自由に使えず、
個人の資産が増えにくく感じることがあります。

廣島のアドバイス
👉 ぜひ
「法人の純資産(解散した時に残るお金)」
ベンチマークにしてください。

個人と法人を合わせた
「現在の資産」+「未来の数字」を可視化することで、
将来設計が可能になります。


最後に:知らないと「詰む」話を、安心に変えるために

法人成りは、単なる節税手段ではありません。
あなたの事業を次のステージへ進めるための「装置」を作ることです。

私は、
知識不足で損をしたり、
仕組みを知らずに立ち往生したりする人を
一人でも減らしたいと考えています。

freeeを自力で触れるけれど、
その先の「税務的な正解」
「未来の数字」に不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

「会計を『作業』から『意思決定の武器』へ。」
一緒に、あなたの事業に最適な設計図を描きましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です